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11、高所作業にて使用する作業用架台について


着信:
 教えていただけないでしょうか。  高所作業にて使用する、作業用架台について、『手摺り』,『柵』等、法的に規制,規定があるのでしょうか。あります場合、関連法規についてお知らせいただけたらありがたいのですが。  以上、よろしくお願いいたします。

返信:
 ご質問ありがとうございました。私は、労働衛生が専門ですが、お尋ねの件は労働安全に該当する事項のようです。不十分な面はあるかと思いますが、調べてみましたので、ご参考になれば幸いです。

 労働安全衛生規則第二編(安全基準)第二章(建設機械等)第二節の二(高所作業車)にそれらしい規定があります。お手元に労働安全衛生規則があればご参照下さい。

 お尋ねの「作業用架台」が「高所作業車」に該当するものかどうか分かりませんが、労働省通達(平成2年9月26日 基発第583号)では、「「高所作業車」とは、高所における工事、点検、補修等の作業に使用される機械であって作業床(各種の作業を行うために設けられた人が乗ることを予定した「床」をいう。)及び昇降装置その他の装置により構成され、当該作業床が昇降装置その他の装置により上昇、下降等をする設備を有する機械のうち、動力を用い、かつ、不特定の場所に自走することができるものをいうものであること。」と定義されています。

 「高所作業車構造規格」(平成2年9月26日 労働省告示第70号)、「つり足場用のつりチェーン及びつりわくの規格」(昭和56年12月26日 労働省告示第104号)、「合板足場板の規格」(昭和56年12月26日 労働省告示第105号)というのもあります。後の二者は「高所作業車」以外の規格のようです。

 もし、お手元に労働安全衛生規則がなければ、住所等をお知らせ下さい。コピーをお届けいたします。といっても、このようなものは安全衛生担当者の必須文献ですから、できれば購入して下さい。「安衛法便覧」(労働基準調査会)が少し高いですが、調べるには便利です。

 よければ、調査の動機、例えば労災関連で調べているとか、をお知らせ願えれば幸いです。私の勉強のために、症例を集めています。プライバシーは当然守ります。ご協力お願いいたします。

着信:
 迅速かつご丁寧な回答ありがとうございます。

 まず作業用架台について、私の説明不足でしたのでもう少し詳しく説明いたしますと、製造ラインのシステム上、ある製造機器を床面より1000mm以上に持ち上げる必要があり、そのために使用する架台(固定式)です。その架台上では製造機器の操作のため作業員が作業を行います。

 ただ単に、作業用架台に作業員が落下しないだけの高さを有する手摺りを取り付ければよいというのではなく、法的に手摺りの高さが??mm,幅が??mm,高さが??mm以上の場合は……etc、と規定があるのではないかと思い、インターネットで関係ページを検索していたところ、天野様のお名前を拝見しメールを送信させていただきました。

 弊社には機械設備(作業用架台を含む)を製作するに当たっての社内規定がございますが、その規定が法的に問題ないか仕事の関係上、調査したかったというのが動機です。法で定められた規定がございましたらお知らせいただけますようお願いします。

(図省略;著者)

返信:
 回答が遅くなりましたが、私が調べた範囲では以下のようでした。工事をする前に最寄りの労働基準監督署にて確認されるのがベストだと思います。

(1)ゴンドラ構造規格(平成6年3月28日 労働省告示第26号)第18条(作業床)
 第十八条 作業床は、次に定めるところによるものでなければならない。ただし、第二号及び第三号の規定は、チェア型ゴンドラの作業床については、適用しない。
一 床板材は、すき間がなく、かつ、枠に確実に固定されていること。
二 周囲には次に定める囲い又は手すりが設けられていること。
   イ 丈夫な構造であること。
   ロ 材料は、著しい損傷、腐食等がないものであること。
   ハ 高さは、90センチメートル以上であること。
三 手すりが設けられている場合にあっては、周囲に中さん及び高さが10センチメートル以上のつま先板が設けられていること。

(2)つり足場用のつりチェーン及びつりわくの規格(昭和56年12月26日 労働省告示第104号)第6条(材料等)
第六条 つり足場用のつりわく(以下「つりわく」という。)のつり材及びけた材及び手すり柱に使用する材料は、日本工業規格G3444(一般構造用炭素鋼鋼管)に定める二種(STK41)の規格に適合するもの、日本工業規格G3101(一般構造用圧延鋼材)に定める二種(SS41)の規格に適合するの又はこれらと同等以上の機械的性質を有するものでなければならない。
2 つりわくの各部は、著しい損傷、変形又はは腐食のないものでなければならない。

(3)高所作業車構造規格(平成2年9月26日 労働省告示第70号)第23条(作業床)
 高所作業車の作業床は、次の各号に定めるところによるものでなければならない。
一 床板材は、エキスパンドメタル製のもの又はすき間がないもので、かつ、枠に確実に固定されていること。
二 周囲には、次のイからハまでに定めるところに適合する囲い又は手すりが設けられていること。
  イ 丈夫な構造であること。
  ロ 材料は、著しい損傷、腐食等がないものであること。
  ハ 高さは、90センチメートル以上であること。
三 手すりが設けられている場合にあっては、周囲の中さん及び床板からの高さが10センチメートル以上の囲いが取り付けられていること。

(4)移動式足場の安全基準に関する技術上の指針(昭和50年10月18日 技術上の指針公示第6号) 3−6 防護設備
 作業床の周囲には、高さ90cm以上で中さん付きの丈夫な手すり及び高さ10cm以上の幅木を設けること。ただし、手すりと作業床との間に丈夫な金網等を設けた場合は、中さん及び幅木を設けないことができること。

 以上のことから、手すりを設ける場合、構造的には、90cm以上で、中にさんがあり、床には10cm以上の滑り止めがあればよいということになろうかと思います。強度的にはつり足場規格に定められているような鋼材を用いれば、最低の安全基準としてはクリアできるのではないでしょうか。
 90cmという数値に関しては、労働者の身長、労働態様等の条件により、これ以上高くすることも必要かと考えます。

 労働安全の考え方として、労働者のあらゆる fail な行動を予測して、safe 側に結果が出るように設計することが求められています。私の拙い回答がお役に立てば幸いです。
 なお、私の専門は労働衛生(保健衛生、衛生工学)です。労働者の健康問題に関する疫学的・統計的な調査・分析を得意としています。この分野での仕事があればご一報下さい。内容にもよりますが、基本的には無料です。

着信:
 いつもお世話になっております。回答ありがとうございました。大変参考になりました。これを基に作業用架台を設計したいと思います。  以上、大変お世話になりました。今後ともよろしくお願いします。