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45、警備業従事者の特殊な検査


着信:
○○○/□□病院健康増進課に勤務する△△という者です。

事業所健診の特殊項目についてお教えください。

事業所から問い合わせがあったのですが、警備会社の健診で、大麻,アヘン,アルコール等の服用者かどうかを健診個人票に網羅する必要があり,受け入れられるかということでした。

個人票を提出する際に必要だが、具体的な健診の内容や書式は特に指示がないとのことです。

健診や問診の内容,結果の記載法についてご存知のことがありましたら教えていただけないでしょうか?

よろしくお願いいたします。

○○□□


返信:
○○□□様
 メールありがとうございました。お尋ねの件、次のように考えます。

(1)採用時健診か、雇い入れ時健診か
 ご承知のように、労働安全衛生規則43条により、事業者は常時使用する労働者を雇い入れるときは医師による健康診断を行わなければなりません。その項目の中に「2 自覚症状及び他覚症状の有無の検査」というのがあります。この内容を説明した労働省通達(昭和47年9月18日 基発第601号の1)によれば「第2号の検査には、当該労働者が就業を予定される業務に応じて必要とする身体特性を把握するための感覚器、呼吸器、消化器、神経系、皮膚及び運動機能の検査が含まれ、その検査項目の選定は当該労働者の性、年齢、既往歴、問視診等を通じての所見なども合わせて医師の判断にゆだねられるものであること。」とされています。
 従って、基本的には労働者の業務遂行能力を判断するために必要な検査だと医師が判断すれば、事業所が特別な検査項目について検査を実施しても法的に受け入れられるということになります。

 ただし、この「雇い入れ時健診」は「採用時健診」とは異なります。「採用時健診」は採用を決定するための健診で、「雇い入れ時健診」は雇い入れが決定した者に対して行う健診です。採用時健診については法で決まりはありません。一般的に採用時健診は検査項目が少ないのが通常です。というのは、採用時健診で細かな検査を行うと多くの人が働く場所を失うからです。

 それで、文面ではよく分からなかったのですが、お尋ねの健診は「採用時健診」でしょうか、「雇い入れ時健診」でしょうか。その違いにより対応がかなり異なります。

(2)お尋ねの「事業所」は「警備会社」に人材を派遣するところか
 これも文面ではよく分かりませんが、「事業所」が派遣元の会社だとすると、一般健康診断は派遣元の事業主の責任で行わなければなりません。そして、派遣先で警備業務も含めて特殊な業務を行い、そのために特別な健康診断を必要とするのであれば、それは派遣先の事業主が行うこととされています。

 従って、法律的には派遣元の事業主は麻薬等の検査項目を健診票に追加する必要はありません。それは、派遣先の事業主が必要と考えれば派遣先の責任で行えばいいのです。

(3)労働者の業務遂行能力を判断するための検査とはどんな検査か
 さて、問題は事業主が麻薬やアルコールの中毒者を除外したいということですね。逆に、労働者の側からすれば、例えば麻薬中毒ではないと証明しなければならないのかということですね。

 例えば、夜間に無人の事務所を警備して回るような仕事だとすれば、それなりの視力があって、歩いたり走ったりする運動能力があり、また、連絡できるような会話能力などがあれば警備員は務まると思います。このような能力に関連する検査項目は必要だと思われます。

 一方、麻薬に関する検査は必要かというと、どうでしょうか。確かに麻薬やアルコールの中毒者は判断能力が落ちますから、警備に限らずいろいろな仕事で適応できませんね。かといって、薬物検査をすることは、(1)で述べた必要な身体特性をチェックするというよりは、必要以上な検査を行い、人権を軽視する側面が大きいと考えます。このようなことが許されれば、多くの人の働く場所が失われる恐れがあります。

 従って、特別な検査についての裁判事例や労働省の見解の有無について細かく調べておりませんが、雇い入れ時健診でも、私は、麻薬中毒やアルコール中毒のための検査を実施することは難しいと考えます。

(4)それでは、事業主側からするとどうすればよいか
 血液や尿による臨床検査は問題があると考えますので、残る方法は「問診」と「診察」だろうと思います。チェックしたい薬物とそれに対応する自覚症状や行動パターンを問診票に組み込み、チェックし、医師がきちんと診察することが基本と考えます。

 問診項目については、私の専門外ですので、医師に相談し、医学書を参考にするかインターネットで検索して探して下さい。例えば、
http://hamt.or.jp/INF/MSTAFF/psn/psn.men.htm
というページにご参考になるようなものがありました。

(5)健診票の様式について
 これは自由だったと思います。

 取りあえず以上のように考えましたが、いかがでしょうか。文面の内容を確かめることもせずに一方的に書きました。ご質問に対する私の解釈が間違っていたらメール下さい。ご質問の内容をもう少し補足していただくと回答がまた変わるかも知れません。

敬具
天野松男


発信:
○○様

大麻、アヘン、アルコール等の検査の件、その後いかがなりましたでしょうか。私の勉強のためにも教えて下さい。

天野松男


着信:
> 大麻、アヘン、アルコール等の検査の件、その後いかがなりましたでしょうか。私の勉強のためにも教えて下さい。

大変失礼いたしました。申し訳ありません。
カゼでダウン、保健所の医療監視への対応、職場の引越し等々先月末からバタバタしておりましてお返事をと思いながらも今になってしまいました。

私も、前回お問い合わせしたあとにいくつか情報を探ってみました。

結論からいうと、大麻、アヘン、アルコール等の常習があるか否かは、いわゆる「健診」としてではなく、やはり犯罪防止の意味合いで警備業に従事する場合、常習でない証明を求められるとのことです。
監督機関は警察で「生活安全課」で担当しているようです。
各企業には教育担当者(正確な名称ではないと思います)を配置するよう求められ、就業時や各種の資格試験を受験の時にはその旨の「診断書」の提出が義務付けられているようです。

ただ、「診断」するにあたっての検査や各書式は決まったものではなく最終的に診断書が作成されればよいとのことです。

一般的には、問診の結果で判断されているようですが、まぁこういう内容を自己申告する人はまずいないんじゃないでしょうか。

SRLにも念のため聞いてみましたが(以前問い合わせたときは受け付けられないと返答されたことがあったので)、2年前から警察の許可なしに医療機関に限り受け付け可とのことです。ガスクロでの覚せい剤スクリーニング8,500円、麻薬スクリーニング 65,000円で、今は受け付けられるとの返答でした。

検討の結果、私どものところでは、問診の内容にもとづき判定するということで了解を得ました。
定期健診では「問診で常習はないと判定」という趣旨の文章を個人票に記載し、先方から要請があれば、個別に診断書を作成するということで確認しています。

とりあえず今わかっていることはこういう程度ですが、実際に運用し始めたらいろいろ対応を求められることが起こりえるかと思います。

どうぞ今後ともよろしくご指導願います。
返事が遅くなり、本当に申し訳ありませんでした。

(^0^)/○○□□:zzzzzz@wwwww