残業時間の長短に関わらず職場の健康管理は手抜かりなく


  厚生労働省発表(平成20年5月23日)「脳・心臓疾患及び精神障害等に係る労災補償状況(平成19年度)について」の中で、次のような残業時間別の労災状況が出ています。

(1) 時間外労働時間が月45時間以内であれば脳血管疾患、虚血性心疾患の発症率は少ないとされています。そのせいか、残業時間60時間未満の労災はゼロとなっています。しかし、この資料は残業時間が45時間未満の人に脳血管疾患、虚血性心疾患が発症しないことを示しているわけではありません。労災認定率は50%弱ですので、申請者の半数以上の人が棄却されています。

(2) 精神疾患の場合は残業時間が20時間未満でも労災認定されています。認定率は30%強です。

(3) ここで私が言いたいことは、残業時間の長短に関わらず職場の健康管理は手抜かりなくやっていただきたいということです。(天野)




表1−6 脳・心臓疾患で「長期間の過重業務」により支給決定された事案(1か月平均の時間外労働時間数別)

(件)

年度

区分

平成19年度  
うち死亡
45時間未満 0 0
45時間以上〜60時間未満 0 0
60時間以上〜80時間未満 28 16
80時間以上〜100時間未満 135 54
100時間以上〜120時間未満 91 25
120時間以上〜140時間未満 39 12
140時間以上〜160時間未満 34 15
160時間以上 35 7
合計 362 129
(参考)支給決定件数 392 142

注 本表の合計件数と支給決定件数との差は、認定要件のうち、「異常な出来事」又は「短期間の過重業務」により支給決定された事案の件数である。

表2−6 精神障害等で支給決定された事案(1か月平均の時間外労働時間数別)

(件)

年度

区分

平成19年度  
うち自殺
(未遂を含む。)
20時間未満 72 5
20時間以上〜40時間未満 20 7
40時間以上〜60時間未満 11 8
60時間以上〜80時間未満 17 9
80時間以上〜100時間未満 27 11
100時間以上〜120時間未満 39 20
120時間以上〜140時間未満 17 4
140時間以上〜160時間未満 12 4
160時間以上 16 9
合計 231 77
(参考)支給決定件数 268 81

注 本表の合計件数と支給決定件数との差は、PTSD又は出来事による心理的負荷の程度が特に過重な場合など、労働時間の長さをみるまでもなく支給決定された事案等の件数である。